息子帰宅の儀式
高1と高3になる息子達に、触っていいかと聞いてから、儀式っぽいことして、スンって1人になった。
「◯◯ちゃんはいいこだよ〜
◯◯はおりこうだね〜」
次男には、背面からおおいかぶさって全身でスリスリして、長男には、なでなでしてきた。
長男は反撃してくるので、恐る恐るナデナデした。次男は我慢してくれるので、全身でナデナデしてきた。
彼らは微動だにしなかった。
よくできた息子たちだ。
最近、19歳の頃に作った、まゆらの物語を思う。なぜ書いたのか分からなかった。
あるとき、霊能者の友達に作品を見せたとき、これはお前の話だと言われた。
まゆらは、おばあちゃんになった話だった。
私は、まゆらみたいなおばあちゃんになるのかなと思う。
まゆらはそういうことがわずらわしくなって、何も話さなくなって
おばあちゃんになってからはどこにでもいるおばあちゃんになって
孫に、いろんなことを聞かれる。
でも、まゆらは笑うだけで何も言わない。
そういう話だった。
息子達が死ぬときも、私が死ぬときも、すべての出来事は淡い色にしかとどまらず
その淡い色合いに、何がしかの幸せを遺せるように
幸せの色合いが、薄汚れたこの世色ではなく
心象スケッチが、優しい色で満たされるといいなあと思うのに
私は、変な儀式をしてしまうのだ。残念!